耐震診断・耐震工事

1981 年 5 月以前の旧耐震基準によって建てられた建築物については、その一部が耐震改修促進法により耐震診断の義務付けがさ れております。合理的なコストで、既存建築物の耐震性能を正しく診断し、適切な耐震補強を施すことは、大地震から人命及び財 産を守ることはもちろん、既存ストックの有効活用の観点からも極めて重要かつ急を要する課題であります。

不動産コンサルティング

建物耐震診断

耐震診断とは旧基準で設計された建築物の耐震安全性能のを大きさを数値計 算により構造耐震指標(IS 値)として評価し、新耐震設計法レベルの耐震性 能と比較して耐震安全性を検討する手法です。耐震判断方法は一次診断から 三次判断があり、診断次数が上がるにつれて診断のための調査や計算量が増 えていきます。建築物の形状によりますが、ビル・マンション等の中高層建 築物の耐震診断で、最も多く使われるのは二次診断です。

<地震規模と被災度の関係図>

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<耐震診断の流れ>

STEP1

予備審査

設計図書(建築設計図面)の内容確認及び建築物の改修や被災等の履歴調査を行 い、建築物の概要の把握と耐震診断で必要となる情報・資料を収集します。

STEP2

現地調査

建物の劣化調査として、ひび割れの調査、配筋の調査、コンクリートの中性化の 調査、コンクリート強度の調査を行います。年代推定等によって、破壊検査を行 わない方法もあります。

STEP3

一次診断

柱や壁の量から略算される建物の強度を基準に診断します。壁量の多い建物に適 した簡便法です。個人住宅で、よく使われる診断方法です。

STEP4

二次診断

柱や壁の強度と靭性(=粘り強さ)を考慮して、耐震性能を算出する手法で一次 診断より精密な判定法です。鉛直部材の強度のほか、建物の靭性を評価します。 ビル・マンション等の耐震診断で、最も多く使われる診断です。

STEP5

三次診断

建物構造が複雑であったり、靭性指向の塑性変形量が多いと想定される場合、柱 や壁に加えて梁も考慮し、建物の保有水平耐力(地震力のような横方向の力に対 する建物の耐力)を求める判定方法です。

STEP6

耐震補強設計

耐震性が目標値に達しないと判定された建築物の補強方法の検討を行い、必要な 耐震補強案の策定をします。

耐震補強工事

耐震補強工事

建築基準法の基準値を満たさない建築物を、必要とされる安全域まで合理的な 金額で補強工事いたします。 また、1981 年改正建築基準法(新耐震)準拠の建築物を、新耐震の基準を超え る防災避難所クラスの強度まで、より安全側に補強する工事実績もありますの で、各建築物の用途に応じたプランニングと施工が可能です。

〈施工事例〉

高圧受電設備の耐震補強工事

建築設備の耐震工事

耐震工事は建物の構造強度を向上させることだけではありません。屋上に設置されている受電設備、空調設備や建物内の配管類が転倒・損傷すれば、電気・水・ガス等のライフランが使えなくなり、事業停止期間の増加につながる恐れもあります。そういったことを防ぐためにも建築設備を含めた耐震工事計画をお勧めします。

当社では、圧送ポンプを使用しない少量のコンクリート補強も施工しておりますので、ピンポイントでの補強工事も可能です。

 

低スランプ値(33-10-15)の施工

適切なコンクリート強度の選択

通常の耐震工事に使用するコンクリートの設計強度は21〜24ニュートン/㎟を使用しますが、補強対象によっては、27ニュートンや30ニュートン級の設計強度にて施工いたします。

また、通常はスランプ値18N前後のコンクリート粘度を当社では推奨しておりますが、鉄筋の間隔や配筋構造により、スランプ値が12N以下の高粘度コンクリートにて施工することも可能です。施工時の温度・湿度、配筋構造の状態等を考慮して、適切な強度のコンクリートの打設を行っております。

 

引張試験

耐震補強アンカーの50KN引張力試験

耐震補強の鉄筋アンカー強度

耐震補強工事の際に、既存の非構造壁(いわゆる雑壁)や強度が不足している構造壁を解体して、新たに設計強度上、十分な構造壁を新設するケースがあります。

その際、既存のラーメン構造体(柱や梁)に対して、堅固に耐震構造壁を

定着させるために、定着の基礎となるアンカー検査を実施することが重要です。左記の写真は、長期耐力を算出するために、既存の構造強度を勘案した50KN(キロニュートン)での鉄筋アンカー引張力試験です。